おさるのもんきち
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円相場(えんそうば)は円に対する外貨の相対的価値(為替レート)のこと。通常は外貨1単位に相当する円貨額で表示する(通貨や市場によっては別の慣行もある)。
特に、米ドルやユーロとの比較によって示され、その中でも、米ドルに対する円の相対価値を示すことがある
国際市場において、日本の通貨である円の相対的価値が過去のレートや政治の目的など、何らかの意味で基準とみなされる水準よりも高い状態を「円高」、逆に、低い水準であるとき「円安」という。分かりやすくいえば、今まで1ドル80円だったが、1ドル75円になった場合には円高になっている。つまり、より少額の「円」で1ドルと交換できるようになる訳である(同じ円貨額でより多くのドルを買えるようになったと考えると、通貨価値が上がったということが理解されやすい。後述のとおり「1ドル100円」ではなく「100円1ドル」とする表記法もあり、こちらはより直感的に理解しやすい)。
円相場の影響
「為替レート#為替レートの影響」も参照
円高のメリットとして、輸入品が安くなる(原材料も含む)、日本からの海外旅行が安くなるというプラス面がある一方で、輸出品が外国で高くなる、輸出品が売れなくなり国内産業が打撃を受け不景気となる、日本の観光収入が減るなどのマイナス面がある。円安になると、円建ての海外資産所得が増加する。
「円高になると、交易条件が向上する(日本国外からの購入が有利になる)のでよい」という議論があるが、交易条件は輸出物価と輸入物価の比率であるので、円高になると輸出物価も輸入物価も下がるため、交易条件に系統的な影響は与えない。それどころか、比較優位をもつ輸出産業(比較優位をもつからこそ輸出産業)が採算レートを割るような円高になって、日本国外に移転するなどすれば、平均的な生産性が下がり、賃金も下がって生活水準の低下にもなりかねない(参照:円高不況)。円高は、対外直接投資を増加させる要因となる。
さらに、円高になると日本の労働力などの生産要素価格が他国に対し相対的に高くなる。円高は日本国外の賃金を日本の賃金に比べて低下させる。このコスト高になった結果、輸出財の競争力は低下することになり、輸出が減少して輸出企業やその下請けなど関連企業の業績が悪化する要因となる。反対に輸入財は相対的に割安になるため国内生産品より競争力が増し、輸入が増加することになる。
円高で1万円で買えるものの量が増えるから一見メリットがあるように考えがちだが、その1万円を稼ぐこと自体が困難になるため、円高で有利になるとは言えない。
また、円高が起きた場合、生産活動はすぐには変化しない一方で、将来の景気悪化を懸念して消費や設備投資の方がより早く反応して落ち込む。その結果、国内の貯蓄超過(貯蓄-投資)が増加し、これは経常収支の黒字増加を意味する(貯蓄投資バランス)。すなわち、円高が起きた直後には貿易黒字の拡大が起きやすい。その後、国内の消費や投資の落ち込みによる景況感悪化に合わせて生産活動も停滞する中で、貿易黒字は縮小していく。円高直後の貿易黒字拡大を見て円高の悪影響を過小評価しないよう注意する必要がある。
経済学者の翁邦雄は「円安で輸出が増え経済が回復するという効果は非常に限定的である。また、大企業の製造業の労働や株を持っている人にはプラスであるが、そうではない人にはマイナスという分配効果によって不満が高まりかねない」と指摘している。
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